デジタル円「DCJPY」を発行へ

GMOあおぞらネット銀行株式会社は12日、ブロックチェーン技術を用いたデジタル通貨「DCJPY(仮称)」を2024年7月を目途に発行することを発表した。

同行によるDCJPYの発行は、株式会社ディーカレットDCPが提供する二層構造デジタル通貨プラットフォーム「DCJPYネットワーク」を活用した商用サービス第一弾として位置づけられる。

ディーカレットDCPは、100を超える企業や関係省庁などによって構成される「デジタル通貨フォーラム」を運営している。同フォーラムには3つのメガバンクやNTTグループ、SBIホールディングスなど大企業が名を連ね、金融庁・財務省・日本銀行らがオブザーバーを務める。

2020年に発足した同フォーラムは、ブロックチェーンとでデジタル通貨を組み合わせ、⽣活のあらゆる場面で活用できるデジタル通貨の開発を目指しており、これまでに複数回にわたり概念実証および実証実験を実施している。

また、ディーカレットDCPの親会社で、インターネットサービスの先駆者として知られる株式会社インターネットイニシアティブ(以下、IIJ)が行う環境価値(非化石証書など)取引のデジタル資産化と、GMOあおぞらネット銀行が発行するDCJPYによる取引・決済を両社は共同で推進していくことに合意した。

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DCJPY活用の流れ

IIJは、同社のデータセンターで使う電気が化石燃料由来でないことを証明する「非化石証書」をデジタル化して発行するサービスを2023年10月から提供予定としている。2024年7月に同サービスにおいてDCJPYネットワークを活用し、環境価値をデジタルトークン化したうえでDCJPYを利用しての決済を開始予定。

現在の国内での環境価値取引は、非化石証書などアナログ証書発行や中央集中型システムでの取引情報の管理が一般的であるが、DCJPYネットワークは環境価値をデジタル資産として発行・移転が可能であり、デジタル通貨とブロックチェーンのスマートコントラクトにより取引の自動決済が行われる。

GMOあおぞらネット銀行は、将来的に電力小売業者や発電事業者、環境価値の取引所などにも参加してもらい、環境価値取引の一連の流れのブロックチェーン上での流通も推進すると述べた。

出典:プレスリリース

DCJPYネットワークの仕組み

DCJPYネットワークは、「ビジネスゾーン」と「フィナンシャルゾーン」という2つの領域によって構成される。

前者はDCJPYを利用する企業のための領域で、商品やサービスをNFT(非代替性トークン)や有価証券をデジタル化したST(セキュリティトークン)などの資産としてデジタル化して発行したり、あらかじめ決めたルールや条件でDCJPYを使って取引をすることができる。

後者は銀行を中心とした金融領域で、残高を記録する元帳の管理、ユーザアカウントの登録・取引履歴の照会など銀行が管理するDCJPYをユーザが利用するための機能が用意されており、全社のビジネスゾーンと相互に連携する。

ブロックチェーン技術を活用してリアルタイムで送金・決済ができるほか、決済データの記録も可能。全国銀行データ(全銀システム)を介さないため送金コストを抑えられ、支払い上限もない。

また、DCJPYネットワークは、ステーブルコインとは異なり、銀行預金をブロックチェーン上でデジタル通貨にする。ディーカレットDCPが電子決済等代行業者であることから、利用する企業は決済関連の金融ライセンスの取得を必要とせずにデジタル通貨DCJPYを送金できるという。

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参考:公式発表

参考:ディーカレットDCP公式NOTE

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